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六个说谎的大学生 六人の嘘つきな大学生
2021-03-02 / 浅倉秋成 / KADOKAWA / 304
2024-8-27
面白かった!そして心揺さぶられた。 ある側面だけで人間を評価するのはまちがっている、という、ごく当たり前のことが深く心に刻まれた。私たちは基本的に了見が狭い。就活において対面する面接官だけではなく、人柄を見抜くということはだれしもできるわけがない。小説を読んでいてミスリードされるように、実生活でもミスリードされまくりだ。さらに人間は常に変わっていく生き物。千変万化だ。だからこそ希望がある。 せつない内容ではあったが、希望の光の一筋が差し込むようなラスト。就活生見かけたら、頑張って!と祈りたい気持ちでいっぱい。 -
末期ガンでも元気です 38歳エロ漫画家、大腸ガンになる
2021-02-15 / ひるなま / フレックスコミックス / 160
2024-5-10
大腸ガンの闘病実録漫画。著者と夫、夫の姉はウサギで描かれてるが、他は人間。 -
丹皮尔的美味冒险 ダンピアのおいしい冒険
2020-08-07 / トマトスープ / イースト・プレス
2024-3-22
ダンピアと愉快な私掠船の海賊たちがゴールデンカムイさながらのB級グルメ紀行をくり広げる海洋冒険もの。絵柄は山本ルンルンとかカートゥ―ンぽいが、歴史的な考証がしっかりしてて知的好奇心が刺激される。トドの油食いたい。ぱくぱく読んでしまう焼きマシュマロのような漫画。 -
ご飯は私を裏切らない
11话 / 2020-08-04 / heisoku / KADOKAWA / 154
2024-3-5
毎日過酷なバイトに身を投じながら、家にかえりささやかな、けれど歓びに満ちた食事をとるのが生きがいな主人公。ちょいと簡単料理、疲れたときのリーサルウェポンに、と思ってしまう。いくら、何回も登場するところをみると相当好きとみました。ひとつぶひとつぶ命をいただいている実感、と。バイトの息抜きに求人情報を見る無限ループ。ひんぱんに挟まれるアメリカギンヤンマからヨトウムシまで動物への熱い思い。簡単な仕事ほどクビになりやすく、過酷な仕事ほど達成度が低くても許容されやすいという職業観。過剰なほどの密度のモノローグ。いつまでも読んでいたい気持ちに。 -
法庭游戏 法廷遊戯
2020-07-15 / 五十嵐律人 / 講談社 / 362
2024-8-6
始終、ピンと緊張の糸が張りつめた空気をもつ小説。そして天秤が揺れ十字架が突き刺さるイメージがまとわりつく。裁きの天秤は、とかく人間が操ろうとするが、それがどちらに傾こうと、最後は神が十字架を突きつける。天秤にかける場の法廷は、所詮、戯れの場に過ぎないのかも。 -
52ヘルツのクジラたち
2020-04-18 / 町田そのこ / 中央公論新社 / 260
2024-3-22
52ヘルツで歌うクジラの声は、他のクジラには届かない。 それは他のクジラがキャッチできる周波数を、大きく外れているからだ。 52ヘルツの人々には、待っているだけでは出会えない。 出会おうとして動かなければ、その存在にすら気づけず、助けることができない存在なのだとおもう。 本は動けない。 誰かが運んで手渡すか、その人自身が気づいて手に取らなければ、人のもとには届かない。 どんなに想っても、動かなければ、出会わなければ想いは届けられない。 だから届けられるように、動かなければいけない。本ではなく、人の方が…