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阿滋漫画大王 あずまんが大王
あずまきよひこ / メディアワークス
2024-4-5
再読ー。 散ればこそいとど桜はめでたけれ、なーんて言いますが、どんなに充実していようがつまらなかろうがダラダラ過ごそうが、高校時代には必ず終わりが来る。来るからこそ、愛おしい。泣いたり笑ったり怒ったりした3年間ともいよいよお別れ。 ただ「終了」っていうのではなくて、「終わった後」の予感がギャグ漫画の範疇を越えていますね。名作。 -
我的家 ぼくんち
西原理恵子 / 小学館
2024-2-24
この物語はハッピーエンドではない。みんな仲良く大団円、という終わり方を期待する読者は裏切られるだろうが、私はフィクションに誠実であろうとした作者の姿勢に敬意を表したい。 だって、フィクションならいくらでもきれいごとが描ける。取って付けたようなハッピーエンドにしようと思えばできるのだ。 西原理恵子はあえてそれをしない。 救われない現実を救われないまま生きる人々をそのまま描いて、彼らへの愛しさで胸をいっぱいにしてくれた。 人生残る一冊になった。 -
兵器少女 サヤビト
27话 / 伊咲ウタ / 講談社、長鴻出版社
2024-3-18
もっと評価されるべき隠れた傑作。 ちょっと古いけどエレメンタルジェレイドとか、青年×少女や人外バディもの好きには猛烈におすすめしたい。 人のカタチをした兵器であるサヤビトが主人(アド)とコンビを組んで活躍する話で、少年漫画的なストーリーのまっすぐさと、少女漫画的な繊細でかわいらしい絵柄がよくマッチしてる。 登場人物の心理描写も秀逸で、詩的なモノローグや演出は本当ぐっとくる。アドとサヤビトの関係性も友人・恋人・家族・主従とさまざまで、好みのコンビを見付けるのも楽しい。 終盤はちょっと超展開になるが、キャラに愛着を持てれば最後まで楽しく読める。 自分の一押しはコワモテだけど情に厚い局長。 -
奇子 奇子
19话 / 手塚治虫 / 小学館、講談社
2024-1-29
ウチの高校には奇特なだれかが寄贈した手塚治虫コレクションがあり、「奇子」もその中に含まれていたのだが、学生の時に読んで衝撃を受けた…… やるせなさ、切なさ、悔しさ……ざまあみろと運命を嘲笑いたくなる痛快さ。 この底知れない読後感をぜひ味わってほしい。 -
涡森今日子对宇宙不抱有期待。 渦森今日子は宇宙に期待しない。
2016-02-27 / 最果タヒ / 新潮社 / 288
2023-10-17
皆が当たり前のように通る季節を当たり前に通ることが出来なくて、どうしてイマなんだ、決めてしまうことにそんなに意味があるのか、と悩める時期でした。まるで一生を抱えたかのように狭き一つの道を進んで行った同志達は、今何人その夢を叶えられたのだろうと考えます。あの季節はもう戻らないけれど、決してあの頃が全てではなく、大人になればそれだけキラキラしたものにも出逢える。苦しいとき、あの時踏ん張れたということ、それが生きていく上での自分にとっての支えになるのだと思います。