-
法庭游戏 法廷遊戯
2020-07-15 / 五十嵐律人 / 講談社 / 362
2024-8-6
始終、ピンと緊張の糸が張りつめた空気をもつ小説。そして天秤が揺れ十字架が突き刺さるイメージがまとわりつく。裁きの天秤は、とかく人間が操ろうとするが、それがどちらに傾こうと、最後は神が十字架を突きつける。天秤にかける場の法廷は、所詮、戯れの場に過ぎないのかも。 -
不可以II いけないII
2022-09-22 / 道尾秀介 / 文藝春秋 / 280
2024-8-4
ホラーではないけれども、忌まわしい名前の地名などがでてきてゾクリとした。写真が不気味さを煽るが、それを見たら物語が一変する、というほどでもない。惹き込まれてあっという間に読んでしまった。気楽に楽しめる一冊。 -
探偵映画
1990-12-05 / 我孫子武丸 / 講談社、文藝春秋 / 237
2024-7-22
映画監督が撮影半ばにして失踪。 スタッフや俳優が、映画会社の倒産を免れようと、懸命に続きのシナリオを考え制作する。 軽快でおもしろかった。 映画における叙述トリック、こういわれて思い浮かぶのは『シックス・センス』。 著者の映画好きが漏れておりさまざまな映画が出るわ、出るわ……思わぬところで『百年の孤独』も。 -
暗祓 闇祓
2021-10-29 / 辻村深月 / KADOKAWA / 416
2024-7-16
バラバラにおもえた戦慄の物語たちが、見えない糸で縫われてつながっていく… これはホラーであり、虚構であり、現実である。 -
きみの友だち
2005-10-20 / 重松清 / 新潮社 / 316
2024-7-12
子どもは大人が思うより必死に考えている。 そんなことを感じさせてくれる作品。 不器用で純粋な子どもの友情に 涙が自然とこぼれる。 -
青空と逃げる
2021-07-21 / 辻村深月 / 中央公論新社 / 457
2024-7-12
ほっこり系かなと思いきや、深刻な事情を抱えた母と息子の逃避行話。 東京から各地に逃げるのだが、四万十だったり岡山の家島だったり別府だったり風光明媚な観光地ばかり。 旅行しながら書かれたのかな。 少年の心の揺らぎが瑞々しい。 -
婚約者は、私の妹に恋をする (2)
2017-12-09 / はなぶさ / KADOKAWA / 320
2024-7-11
カラスはどこかのループ世界のソレイルだと思ってたけど、ちがうのかもしれない。 -
余命10年
2017-05-15 / 小坂流加 / 日本文芸社 / 358
2024-7-5
「愛する人と別れることが死だと思った」。 「死」ってどうして怖いのか。 痛いから。苦しいから。 それもあるだろうけど、愛する人のこれからを見ることができなくなるからかも。 私にとって死は、宇宙空間に投げ出されるイメージ。 そこで静かに瞬く星になるまで、心から笑いたいな、こちらで。