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多余的孩子 はみだしっ子
三原順 / 白泉社
2024-1-18
親に棄てられた4人の子供の逃避行。セリフ回しは独特だけど引き込まれるものがある。アンジーは今でも人気出そうなキャラだと感じた。 子供の頃、ちょっと毒親大集合すぎないかという、ある種の公平さを求めたくなる気恥ずかしさがないわけではなかったのだが、今読むと「これは結構ありうるな…」と思ってしまったので時代背景によって評価は変わるかも。 子供は無責任に「4人でずっと旅をして欲しかった」と思っていたが、今読むと「レッツ・ダンス・オン」で感じる苛立ち焦燥切なさは子供の肉体では受け付けない刺激と生活や情緒面からくる疲労で、やはり家出少年のその日暮らしというものは身体に堪えて精神を蝕んでいたのかもしれない。 -
山姥之森 バーバ・ヤガー
メディアファクトリー
2024-3-8
けっして万人受けする作品じゃないがはまるひとはとことんはまる。 錯綜した人間関係、病みと歪みが深いキャラクターの疑心暗鬼を煽るエゴイスティックな駆け引きが中毒性を高めるサスペンスフォークロア。 欝でグロくてサイコパス。 幼い顔立ちなのに胸や尻がボーリューミーな背徳的なかわいさの女の子が、暴行されたり失禁したり酷い目にあうあたり、サディスティックな吸引力がある。 クレイジーサイコレズやヤンデレ百合、一見好青年に見えるが実は……なメガネ好きにはおすすめ -
怒った聖女は一人で魔王を倒したい (2)
2023-08-10 / 紺子ゆきめ / 双葉社 / 160
2024-5-12
異世界転移物。魔族や魔法がある世界に現代日本の女子高生が聖女として召喚される。 聖女には運命の相手がいて、その人とセックスすると魔王を倒せるすごい力が手に入るので、聖女の女子高生は運命の相手候補数名とともに魔族退治しながら魔王を倒す旅に出る。 運命の相手候補や補佐役がみんな聖女に好意を持っていたり、聖女が魔を払う力で活躍したり、展開が王道の乙女ゲーム。 召喚直後の女子高生が妙にセクシーだった。 -
织星 星を編む
2023-11-08 / 凪良ゆう / 講談社 / 288
2024-1-18
「汝、星のごとく」のスピンオフで 「春に翔ぶ」「星を編む」「波を渡る」の 3編が描かれています。 「春に翔ぶ」は北原先生の過去が描かれていて、 そんなバックボーンがあったんだと驚きました。 「星を編む」は櫂の担当編集者の今が描かれていて、 過去の反省を活かして前に進もうとしている姿にグッと来ました。 「波を渡る」は暁海と北原先生の晩年が描かれていて、 これが「汝、星のごとく」の正当な続編に当たると思います。 自分的には、「汝、星のごとく」が良すぎたので少し物足りなく感じてしまいました。 凪良さんの本は心が。笑 -
镜之孤城 かがみの孤城
2017-05-11 / 辻村深月 / ポプラ社 / 554
2024-1-18
人間の生態ってすごくてさ。 この作品に出会って、読んで、心からぶわっと、何かがあふれ出す、その瞬間を楽しみにしていた。 やっと読めた。 特に中盤以降、物語の展開とかがみの孤城の彼らへの思いが止まらなくなってしまって。 通勤電車の中で、寝る前のベッドの中で、浮き上がってくる鳥肌を抑えることが出来ずに夢中になって読んでいた。 それなのに。 人間て、眠くなるのね。 おかげで思っていたより、読了まで時間がかかってしまいました。 疲れたら「疲れた」って、身体はサインを出してくれる。 そう、それは、かがみの孤城の彼らも同じこと。彼らもきっと、サインを出していた。大人は、彼らの発する、そのサインに気付き、一緒に向き合ってあげないといけない。