#1 - 2021-12-14 00:39
日立温 (迈向大和抚子之路)
熱い物語だった。一巻でも書きましたが、ブルーハーツの歌を連想させる物語で、私の気持ちに響いてしまい、すごく良く感じました。
ただし、あくまでこれは私個人の好み直球だったから、客観的には、作者さんの感情と情熱の暴走しているところがあり、巧いとは言えず、批判される所もあります。
登場人物が今回でいきなり増えて、それぞれの自分語りをして、視点変更もあります。
今回は学祭バンドをやるという話で、音楽をやるという話のせいか、バンド名がポンポン出てきて、そのバンドや曲に思い入れないとわかりにくいとか、響かないところもあるかもしれません。

前の巻のラストでちょっといい関係になったけれど、まだなかなか前に進めない黒木と小雪。そんなときに阿倍がバンドをやることで黒木を誘ってきてというのが今回のあらすじ。
泥臭い青春の中であつくもがいている姿を描いていて、その作者さんが描いている登場人物たちの言葉に心が揺れます。
ある意味、情熱が暴走しているといえる独特なノリの文章なので、好みと評価がわかれるでしょう。
一巻よりも作者さんが情熱をぶつけてきた感じで、それが私は一巻よりも心に響きました。

ラスト前の挿入の章は、タイトルがあれなので、「うまくいかなかった時のパラレルな未来」かもしれませんし、
「うまくいっていても、色々な選択をして前向きに選んだ未来の一瞬の思考」かもしれない。
まだこの物語の二人や仲間たちの結末を約束したものではないと私は思います。

この熱いラストの後にまだ続きは書けるのかわかりませんが、この熱い高校生たちの生活や物語をまだまだ見たいと私は感じました。

追記:今さらながらブルーハーツの曲を聴いて、歌詞を眺めていたわけだけど、この作品「キスしてほしい」がイメージにあうな。
キスで「教えてほしい」に「守ってあげる」「二人が夢に近づくように」の歌詞が本当にぴったり。