谁看这部影视?
テレビアニメ創世記の名作「エイトマン」の実写版リメイク。
８マンの造型がチャチすぎるなんてのは序の口、原作に恨みでもあるのではないか思える作り方で、ほとんどアンチ・ヒーロー物にまでおとしめた作品。
銃弾を受けて殉職した横田刑事を上司の田中課長（高橋悦史）はサイボーグ工学の権威・谷博士（宍戸錠）のもとに運び込み、記憶を消し去ってロボット化する。
８マンの特徴は物理的には完全に機械であるが、電子頭脳に主人公の記憶が移植されていること。この時点ですでに８マンじゃなくなっている。
断片的に蘇る記憶に苦悩する８マンって、まんま「ロボコップ」じゃないか。「ロボコップ」は「８マン」の影響を受けているって言う話もあったけど、それをパクってどうする。
８マンは姿を変え東八郎と名乗って探偵地味所を開き田中課長をバックアップする。
東探偵事務所に採用されたのは横田のかっての恋人さち子（綾瀬早智子）。
お互いの過去に気づかぬまま二人は惹かれあう、という要りもしないサイドストーリーが延々と描かれ、一曲たっぷりチークダンスを踊ったりする。
８マンの断片的に蘇った記憶にはベッドで抱き合って眠るさち子と横田なんてカットもあって、旧作ファンの神経を逆なでする。
さち子役の綾瀬早智子はオーディションで採用されたズブの素人、たどたどしいセリフ回しで「危ないことはやめて」とか言って低いテンションをさらに盛り下げる。
８マンが戦うのは麻薬密売を行う山藤（中丸忠雄）一味。
コミック連載当初における原作者・平井和正のジレンマは世界最高水準の技術を駆使したスーパーロボットが、編集者の指示によってちんけなギャング団や誘拐犯と戦わせられたことにあったという。
SFが一般に浸透していない時代を物語るエピソードだが、それを３０年たって今さら繰り返すセンスはちょっと理解できない。
一方、谷博士には息子のケンをサイボーグ手術の実験台にしたという過去があり、恨んだケンは嫌がらせのために殺人を犯しては谷研究所に死体を持ち込んでいる。
谷博士がマッド・サイエンティストとして描かれた上に殺人従犯者というドツボの展開。
ちなみにコミック原作は短編の「決闘」。家族を残して亡命した谷博士を恨んだケンが、自ら望んでスーパーロボットとなり挑戦してくるという名作だった。
手に負えなくなった谷博士は８マンにケンの抹殺を依頼する。こんなんでいいのか。バットマンのようなダークなヒーロー物を目指したのだろうが、言語道断なほどダークサイドの作品に成り果てている。
それをたまたま谷研究所に忍び込んでいたケンが聞いてしまう。
ケンは山藤に接触、そのため潜入捜査をしていた横田の元同僚・沢本刑事（嶋大輔）は暗殺される。
とにかく８マンの活躍により組織は壊滅、裁判に持ち込めば金の力で無罪を勝ち取る自信のある山藤は銃を捨てて投降しようとするが、実は超能力者でもあるケンが山藤の身体を操り銃を拾わせる。
田中課長の銃弾に倒れる山藤。
そして果てしなく十字架の並んだ原っぱで８マンとケンの最後の対決。
ケンは８マンの身体を操ってさち子を絞め殺させようとするが失敗、宙に浮かんで火炎攻撃に出る。
見かねた谷博士がケンの頭部を攻撃するようアドバイスする。
ケンは生身の頭脳を移植したサイボーグであるため、頭部が弱点だった。
８マンは、しめたとばかりにケンの脳天に打撃を加え地面に叩きつける。
原作のクライマックスが台無し。原作では弱点を知っても８マンに谷博士の息子を攻撃することは出来ない。だが、スーパーロボットの激しい動きにケンの脳が耐え切れずダメージを受けて自滅してしまうという展開だった。
原作と映画は別物ではあるが、ここまでセンスのない映画化は珍しいのではないかと思う。
余談＝音楽キャロル・キングとあるが、既成曲をジョー山中がカバーしているだけである。この作品、一般公開はされずに東京ドームでジョー山中のミニ・コンサートなどを含めたイベントとして公開されたが、映画秘宝に掲載された河崎実の記事によると関係者以外の一般客はほとんどおらず、タイトル通りの寂しい夜になった、とある。製作のリム出版は、コミック「８マン」の復刻版や本作のノベライゼーションなど８マン関連本を出していたが、同記事によると映画制作費が引き金となって倒産したらしい。原作を侮辱した映画を作って一儲けしようとしても、そうは問屋が卸さないという見本だろう。ちなみにノベライゼーションは各章ごとに登場人物が交代してそれぞれ一人称で物語を語るという凝った構成になっていた。まあ、出来栄えは映画よりはましという程度だったが。
more...
８マンの造型がチャチすぎるなんてのは序の口、原作に恨みでもあるのではないか思える作り方で、ほとんどアンチ・ヒーロー物にまでおとしめた作品。
銃弾を受けて殉職した横田刑事を上司の田中課長（高橋悦史）はサイボーグ工学の権威・谷博士（宍戸錠）のもとに運び込み、記憶を消し去ってロボット化する。
８マンの特徴は物理的には完全に機械であるが、電子頭脳に主人公の記憶が移植されていること。この時点ですでに８マンじゃなくなっている。
断片的に蘇る記憶に苦悩する８マンって、まんま「ロボコップ」じゃないか。「ロボコップ」は「８マン」の影響を受けているって言う話もあったけど、それをパクってどうする。
８マンは姿を変え東八郎と名乗って探偵地味所を開き田中課長をバックアップする。
東探偵事務所に採用されたのは横田のかっての恋人さち子（綾瀬早智子）。
お互いの過去に気づかぬまま二人は惹かれあう、という要りもしないサイドストーリーが延々と描かれ、一曲たっぷりチークダンスを踊ったりする。
８マンの断片的に蘇った記憶にはベッドで抱き合って眠るさち子と横田なんてカットもあって、旧作ファンの神経を逆なでする。
さち子役の綾瀬早智子はオーディションで採用されたズブの素人、たどたどしいセリフ回しで「危ないことはやめて」とか言って低いテンションをさらに盛り下げる。
８マンが戦うのは麻薬密売を行う山藤（中丸忠雄）一味。
コミック連載当初における原作者・平井和正のジレンマは世界最高水準の技術を駆使したスーパーロボットが、編集者の指示によってちんけなギャング団や誘拐犯と戦わせられたことにあったという。
SFが一般に浸透していない時代を物語るエピソードだが、それを３０年たって今さら繰り返すセンスはちょっと理解できない。
一方、谷博士には息子のケンをサイボーグ手術の実験台にしたという過去があり、恨んだケンは嫌がらせのために殺人を犯しては谷研究所に死体を持ち込んでいる。
谷博士がマッド・サイエンティストとして描かれた上に殺人従犯者というドツボの展開。
ちなみにコミック原作は短編の「決闘」。家族を残して亡命した谷博士を恨んだケンが、自ら望んでスーパーロボットとなり挑戦してくるという名作だった。
手に負えなくなった谷博士は８マンにケンの抹殺を依頼する。こんなんでいいのか。バットマンのようなダークなヒーロー物を目指したのだろうが、言語道断なほどダークサイドの作品に成り果てている。
それをたまたま谷研究所に忍び込んでいたケンが聞いてしまう。
ケンは山藤に接触、そのため潜入捜査をしていた横田の元同僚・沢本刑事（嶋大輔）は暗殺される。
とにかく８マンの活躍により組織は壊滅、裁判に持ち込めば金の力で無罪を勝ち取る自信のある山藤は銃を捨てて投降しようとするが、実は超能力者でもあるケンが山藤の身体を操り銃を拾わせる。
田中課長の銃弾に倒れる山藤。
そして果てしなく十字架の並んだ原っぱで８マンとケンの最後の対決。
ケンは８マンの身体を操ってさち子を絞め殺させようとするが失敗、宙に浮かんで火炎攻撃に出る。
見かねた谷博士がケンの頭部を攻撃するようアドバイスする。
ケンは生身の頭脳を移植したサイボーグであるため、頭部が弱点だった。
８マンは、しめたとばかりにケンの脳天に打撃を加え地面に叩きつける。
原作のクライマックスが台無し。原作では弱点を知っても８マンに谷博士の息子を攻撃することは出来ない。だが、スーパーロボットの激しい動きにケンの脳が耐え切れずダメージを受けて自滅してしまうという展開だった。
原作と映画は別物ではあるが、ここまでセンスのない映画化は珍しいのではないかと思う。
余談＝音楽キャロル・キングとあるが、既成曲をジョー山中がカバーしているだけである。この作品、一般公開はされずに東京ドームでジョー山中のミニ・コンサートなどを含めたイベントとして公開されたが、映画秘宝に掲載された河崎実の記事によると関係者以外の一般客はほとんどおらず、タイトル通りの寂しい夜になった、とある。製作のリム出版は、コミック「８マン」の復刻版や本作のノベライゼーションなど８マン関連本を出していたが、同記事によると映画制作費が引き金となって倒産したらしい。原作を侮辱した映画を作って一儲けしようとしても、そうは問屋が卸さないという見本だろう。ちなみにノベライゼーションは各章ごとに登場人物が交代してそれぞれ一人称で物語を語るという凝った構成になっていた。まあ、出来栄えは映画よりはましという程度だったが。