《神の御姿を描いた如何なる物――絵画、像の所有をここに禁ずることとする》
突然、国王より偶像崇拝を禁じる触れが出された。
神が人間のこの行為に立腹せぬ訳もなく、罰として愛すべき民は物を創り出す力、すなわち創造力を奪われてしまったのだった。
世界は荒み、加えて偶像を失ったことで果たして祈りが届いているのかと不安になる。
だが、神は人間を見捨てはしなかった。
人々は神より授かった、夢に干渉する力を使い、失いかけた生き甲斐を夢の中に求め始めた。
いつしか人間は夢を自在に操ることができるようになっていったのだった…。
「夢歩き」という特技を持つ一族がいる。
一般には「まどろみの一族」と呼ばれている。
彼らは眠っている者と波長を合わせ、その夢に入り込んで自由に歩き回ることができる。
一族の者は夢歩きの力が覚醒するとともに、己の宿命を悟り、世界を旅して回る。
己の夢に導かれるままに。
そしてここにも、夢に導かれて旅に出た少年がいる。
彼の名はアランドラ…。
その晩も、アランドラは夢を見た。
いつの頃からだろうか、眠りにつくと必ず見る。
「イノアの村の北方、湖の深き底に眠る悪魔が今まさに目覚めようとしておる。滅びようとしている世界を救えるのはそなただけだ」
守護者を名乗る老人が、必死に呼びかけてくる。自分は本当に世界を救う《解放者》なのだろうか?
心に湧き上がる疑問に終止符を打つべくアランドラは船に乗り、イノアの村へと向かった。
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突然、国王より偶像崇拝を禁じる触れが出された。
神が人間のこの行為に立腹せぬ訳もなく、罰として愛すべき民は物を創り出す力、すなわち創造力を奪われてしまったのだった。
世界は荒み、加えて偶像を失ったことで果たして祈りが届いているのかと不安になる。
だが、神は人間を見捨てはしなかった。
人々は神より授かった、夢に干渉する力を使い、失いかけた生き甲斐を夢の中に求め始めた。
いつしか人間は夢を自在に操ることができるようになっていったのだった…。
「夢歩き」という特技を持つ一族がいる。
一般には「まどろみの一族」と呼ばれている。
彼らは眠っている者と波長を合わせ、その夢に入り込んで自由に歩き回ることができる。
一族の者は夢歩きの力が覚醒するとともに、己の宿命を悟り、世界を旅して回る。
己の夢に導かれるままに。
そしてここにも、夢に導かれて旅に出た少年がいる。
彼の名はアランドラ…。
その晩も、アランドラは夢を見た。
いつの頃からだろうか、眠りにつくと必ず見る。
「イノアの村の北方、湖の深き底に眠る悪魔が今まさに目覚めようとしておる。滅びようとしている世界を救えるのはそなただけだ」
守護者を名乗る老人が、必死に呼びかけてくる。自分は本当に世界を救う《解放者》なのだろうか?
心に湧き上がる疑問に終止符を打つべくアランドラは船に乗り、イノアの村へと向かった。
关联条目
- 前传 アランドラ