小狐がくぐる鳥居には煤けた文字で「絡繰町」。チントンシャンの音色が綴る、カラクリシリーズ追憶編。 2019年4月28日春M3 第一展示場 【 O-21a Mamyukka 】 にて頒布開始!
※ CDではなく、音源のDLパスコード付き御札入り紙ジャケットとなります。
※ 通販準備中
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秋も終わろうかというこの季節に、その少年は薄手の着物(?)姿で立っていた。裾から視く白い肌に瘦せた手足、そして金色にも近い明るい茶髪がひどく目立つ。
「……えっと、あ、あった、ごはんごはん」
いつもは混み合う時間だというのに今日に限って店の中には彼の他には誰もいない。
「あの、これと、あと、これ、ください」
「かしこまりました」
「あ、ふ、二つずつで、お願いします」
普通の子とは言い難いが、その一生懸命さが微笑ましい。ガラスケースの扉を開けて、言われた通りに保溫していたそれらを取り出す。この時間ということはこれが今日のこの子の夕飯になるのだろうか。バイトの身で言うのもなんだが、育ち盛りの子のご飯がコンピニでこれだけいうのは……なんだか少し心配になる。
「お二つずつですね。少々お待ちください」
この子は一体どこから來て、どこに歸って、誰とご飯を食べるのだろうか。
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※ CDではなく、音源のDLパスコード付き御札入り紙ジャケットとなります。
※ 通販準備中
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秋も終わろうかというこの季節に、その少年は薄手の着物(?)姿で立っていた。裾から視く白い肌に瘦せた手足、そして金色にも近い明るい茶髪がひどく目立つ。
「……えっと、あ、あった、ごはんごはん」
いつもは混み合う時間だというのに今日に限って店の中には彼の他には誰もいない。
「あの、これと、あと、これ、ください」
「かしこまりました」
「あ、ふ、二つずつで、お願いします」
普通の子とは言い難いが、その一生懸命さが微笑ましい。ガラスケースの扉を開けて、言われた通りに保溫していたそれらを取り出す。この時間ということはこれが今日のこの子の夕飯になるのだろうか。バイトの身で言うのもなんだが、育ち盛りの子のご飯がコンピニでこれだけいうのは……なんだか少し心配になる。
「お二つずつですね。少々お待ちください」
この子は一体どこから來て、どこに歸って、誰とご飯を食べるのだろうか。