「ここは賽ノ河原。死んだ子供が落ちる地獄。例の書類にも書いてあるし、窓口でもそう言われなかった?」
記憶も曖昧なまま地獄に落ちたボクを待っていたのは、鬼を名乗る少女キキと真っ赤な倉庫に鎮座した膨大なダンボールの山だった。どうやら、そのダンボール(此処ではそれを小石と呼ぶらしい)を天に向かって百八個積み上げることが出来れば、魂が浄土へと運ばれるらしい。ボクは規則に従い、幼稚な鬼と噺好きの閻魔に見守られ、ダンボールの塔を作り始めるのだが......。
大人と子供と理不尽と。様々な規則が作り出す奇妙な空想物語。
――三途の川はこちらです。ごゆっくりどうぞ。