雪那町に夏が訪れた。
青い空と白い雲、むっとした熱気が大地を包み、強すぎる日差しが肌を焼く。
都心より少しだけ高い気温と湿度。
そんな雪那町の夏を、光吉は自堕落に過ごしていた。
寝て起きるだけの毎日、怠惰な生活が何よりの幸せ、たまの外出は煙草の買出し。
不健康な夏休みを満喫しつつ、エアコンのありがたさを身体全体で感じつつ、ただひたすらに寝続ける。
どう見てもごく普通の駄目学生。
そんな彼には特異な能力が一つ有る。
――異常なまでに鋭い勘。
二者択一、取捨選択、人生における『選択』という機会において発現する特殊能力。
未来予知にさえ等しい勘、結果を見抜く小さな奇跡。
――なんとなく、そんな気がする。
それが彼の能力で、彼の全て。
そんな『勘』を持つからこそ、平々凡々とした毎日を幸せだと思う光吉。
何より今は夏休み。
トラブルメイカーも帰省中、今だけは穏やかな時を過ごしたい。
そんな風に思う光吉、それを無視してざわめく勘。
そんな彼を騒動に巻き込む一人の女と、そして――銀色の銃、永久武装。
この物語は彼らが織り成す自堕落な日常。
感情と感情が交差する、不思議で切ない夏休み。
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青い空と白い雲、むっとした熱気が大地を包み、強すぎる日差しが肌を焼く。
都心より少しだけ高い気温と湿度。
そんな雪那町の夏を、光吉は自堕落に過ごしていた。
寝て起きるだけの毎日、怠惰な生活が何よりの幸せ、たまの外出は煙草の買出し。
不健康な夏休みを満喫しつつ、エアコンのありがたさを身体全体で感じつつ、ただひたすらに寝続ける。
どう見てもごく普通の駄目学生。
そんな彼には特異な能力が一つ有る。
――異常なまでに鋭い勘。
二者択一、取捨選択、人生における『選択』という機会において発現する特殊能力。
未来予知にさえ等しい勘、結果を見抜く小さな奇跡。
――なんとなく、そんな気がする。
それが彼の能力で、彼の全て。
そんな『勘』を持つからこそ、平々凡々とした毎日を幸せだと思う光吉。
何より今は夏休み。
トラブルメイカーも帰省中、今だけは穏やかな時を過ごしたい。
そんな風に思う光吉、それを無視してざわめく勘。
そんな彼を騒動に巻き込む一人の女と、そして――銀色の銃、永久武装。
この物語は彼らが織り成す自堕落な日常。
感情と感情が交差する、不思議で切ない夏休み。