ディーターを連れたテンマがたどりついた村の老医師。小さな村の医療を一手に引受ており、その熱心さもあって村人に慕われている。不在中の診療所で患者を手当てしたテンマを追い、知り合う。大学病院時代には院長の派閥に取り入って院長の娘と結婚までしたものの、出世主義が過ぎたために妻の体調の悪化を見過ごし死なせてしまった過去を持つ。テンマの正体に気づきかけた村出身の警官であるハインツ(声 - 宮本充)から庇い、彼を密かに想う母のペトラ(声 - 谷育子)の診察の手助けをさせた。クモ膜下出血だったペトラをテンマが手術する中、指名手配中であることを確信して応援を呼んだハインツと取引きして、包囲を解かせる。テンマの腕と人格を認め、村に留まってもらうよう懇願するが、意思固く旅立つテンマの無事をディーターに託して見送る。