ラブリ～ティーンズ変身戦士☆プシキャ 游戏

それは今から4年前、NIPPON国はそのとき最盛を迎えていたと言ってもよい。
NIPPONは自国の文化と産業を売り出し空前の好景気にあった。
その首都、TOKYO都。
そこでは1000万を越す人々が日々を営み、時代の幸福を甘受していた。
だが、それは唐突に起きた。
世界の果てまで響くほどの轟音と共に『空が割れた』のだ。
この世の法則を嘲笑うかのように現れた空の穴――『ゲート』、そしてそこから溢れ出した異形の魔物達。
魔物達は人間を襲い、その身体に乗り移り暴虐の限りを尽くした。
彼らは秩序を乱すことによって生まれるエネルギーを糧としていた。

当然人類も指を咥えて見ていた訳ではない。
だが魔力なる未知のエネルギーを保有し、不可思議な現象を引き起こす混沌の軍勢に自衛軍は成す術もなかった。
更にTOKYO都を中心としたKANTO地方は巨大な魔法障壁に包まれ外界と隔離された。
今やKANTO地方の多くの地域が魔物によって支配された人間によって占拠されつつあった。
悪夢の始まりであるかの日のことを、人々は『厄災の日(ドゥームズデイ)』と呼び、忌み嫌った。

TOKYO都第7特別区『川端区』
この地区はこの4年、比較的ではあるが安寧を維持し続けていた。
『ゲート』から比較的離れていたこと、主戦場となった地域の後方にあったこと、それに偶然もあっただろう。
とかく、この地区では辛うじての日常が保たれていた。
しかし、それは薄氷のように今にも壊れそうな平和だった。

魔物に支配された人間――通称『欲魔人』達は徒党を組み川端区においても確実に勢力を広げつつあった。
欲魔人はその人間の持っていた欲望を過剰に増幅させられる。
食欲、性欲、支配欲……欲に支配された人間はそれを満たすためであればどんなことも厭わない。
そして魔力によって強化された力は人間の比ではなく、その凶行を止めることは困難だった。