2042年、地球は温室効果の影響により、南極大陸の永久氷の70%が解けだすという事態にまで陥った。さらに、惑星重力の増加により地下水までもが流出。これにより陸地の23%が水没し、地表の形は一変した。そのため、人口増加に伴う生活圏の不足は深刻なものとなり、人類は海洋圏進出を余技なくされ、海洋の探査および開発技術は飛躍的に進歩した。
2069年、ケルマディック海溝。ニュージーランド北東に位置するこの海溝は、全海洋の82%までも網羅し更なる開発が進められている現在に於いても未開発のままである。
この海域では、原因不明の事故が多発し、半年前にも最新機器を搭載した民間企業調査船「エリアス・リッツ号」が行方不明になったばかりであった。しかも、この海域はエネルギー含有量が他海域に比べて異常なほど高く、磁力障害も通常の3倍以上に達し、電子機器による無人探索は不可能に近かった。
「エリアス・リッツ消失事件」により事態を重くみた「W-ODL」は有人探査船としては最高のレベルを誇る「ミッド・スタンリー号」の出動を決議したのである。
時を同じくして、ミッド・スタンリーのクルー達は、太平洋上の海上工業プラントにいた。テロ活動によるプラント奪取を阻止する為である。この時、F-LINKSパイロットである秀矢は、これから体験する世界の事など知るよしもなかった・・・。
ケルマディック海溝侵入。深度2200m地点にてエリアス・リッツ号を発見。それは、あたかもそこが安住の地であるかの様に鎮座していた・・・が、何かが不自然だ。そう、船体が中甲板から二つに折れて分離してしまっているのだ。このような状況は、外部から何らかの手段で、それも船を真っ二つにする程の力でなければ起こるはずがなかった。「一体、何が起こったっていうんだ!」秀矢はF-LINKSの操縦席でつぶやいた。
数々の疑問を抱きつつ、秀矢を乗せたF-LINKSは、何かに導かれるかのごとく潜行を続ける。一抹の不安と好奇心を乗せて・・・。
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2069年、ケルマディック海溝。ニュージーランド北東に位置するこの海溝は、全海洋の82%までも網羅し更なる開発が進められている現在に於いても未開発のままである。
この海域では、原因不明の事故が多発し、半年前にも最新機器を搭載した民間企業調査船「エリアス・リッツ号」が行方不明になったばかりであった。しかも、この海域はエネルギー含有量が他海域に比べて異常なほど高く、磁力障害も通常の3倍以上に達し、電子機器による無人探索は不可能に近かった。
「エリアス・リッツ消失事件」により事態を重くみた「W-ODL」は有人探査船としては最高のレベルを誇る「ミッド・スタンリー号」の出動を決議したのである。
時を同じくして、ミッド・スタンリーのクルー達は、太平洋上の海上工業プラントにいた。テロ活動によるプラント奪取を阻止する為である。この時、F-LINKSパイロットである秀矢は、これから体験する世界の事など知るよしもなかった・・・。
ケルマディック海溝侵入。深度2200m地点にてエリアス・リッツ号を発見。それは、あたかもそこが安住の地であるかの様に鎮座していた・・・が、何かが不自然だ。そう、船体が中甲板から二つに折れて分離してしまっているのだ。このような状況は、外部から何らかの手段で、それも船を真っ二つにする程の力でなければ起こるはずがなかった。「一体、何が起こったっていうんだ!」秀矢はF-LINKSの操縦席でつぶやいた。
数々の疑問を抱きつつ、秀矢を乗せたF-LINKSは、何かに導かれるかのごとく潜行を続ける。一抹の不安と好奇心を乗せて・・・。