〈日本悪夢すぎるだろ。待機児童って何だよ、待機してんのは俺たち家族な〉
〈出てったよ。もう疲れました、だってよ。〉
〈嫁帰ってこない。詰んだな。〉
ジャーナリストの長月菜摘は、
学生時代の友人・薄井麻衣亜の夫のSNSから、彼女が幼い息子を連れて家庭を捨てたことを知る。
夫も、両親も、友人も、同僚も、彼女が消えた理由を知らないというが、
誰もが麻衣亜を失踪に駆り立てるだけの要因を持っていた――。
現代女性が背負わされた、見えない「重荷」の正体を抉りだす、
本格社会派ミステリー。
アガサ・クリスティー賞受賞作家の新境地!