作画汗まみれ

  • 作者: 大塚康生
  • 出版社: 徳間書店
  • 价格: ¥ 2,052
  • 发售日: 2001-05
  • 页数: 269
  • ISBN: 4198613613

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当時「漫画映画」と呼ばれたアニメーションの世界へと飛び込み、以来「生涯一アニメーター」として常に第一線で活躍したのが大塚康生である。本書は、著者の青春時代の回想録であるとともに、日本アニメ黎明期を知るひとりのアニメーターの貴重な証言記録でもある。1982年、徳間書店の「アニメージュ文庫」として上梓されたものに、今回新たに加筆訂正した。
   アニメーションは「絵」よりも「動き」だと、大塚はこだわっている。作画を担当するや否や、チャンバラの立ち回りや、数々の動物怪物、砕ける波頭など、周りが嫌がるシーンにどんどんチャレンジし、「動き」へのこだわりを次々と具現化していった。その経験から、日本(というより手塚治虫)が発明した「3コマ撮り」という省略アニメには終始批判的だが、その言葉からは他人への気遣いがうかがえる。

   東映動画時代には、不世出のアニメーション作家・宮崎駿、高畑勲と知り合った。以後『太陽の王子ホルスの大冒険』をはじめ、『未来少年コナン』『ルパン三世 カリオストロの城』『じゃりン子チエ』などを一緒に制作した。傍らに稀代の演出家が2人もいたせいだろうか、大塚は演出には食指を伸ばさず、専らアニメーターに徹した。

「キャラクターを動かすことによって、キメの細かい演技をさせるのがアニメーション」であり、「世代を越えて鑑賞できるアニメーションを」という作者の熱意が、優しさとユーモアを含んだ語り口から、地熱のように感じられてくる。(文月 達)
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