ザ・タワー・オブ・ドラゴン 游戏

ザ･タワー･オブ･ドラゴン　(ドリームソフト/ドット企画)

･1988年07月**日　PC-8801用 FD版

80年代後半の作品で、2D俯瞰型のダンジョン探索RPG。最古のアダルトRPGの一つである。

流れ者の剣士「ミース」は、旅の途中立ち寄ったトロイ国でさらわれた王女の噂を聞きつけ、王女の閉じ込められたドラゴンの塔に挑む。

システムは上下左右にスクロールする見下ろし型のマップ上で主人公を操作するタイプのRPGで、パーティは主人公1人、ダンジョンは単一である。パラメータは経験値とレベル、HP、攻撃力、お金のシンプルなものになっていて、武器や防具の概念はなく、回復手段はダンジョン内の薬屋で買える薬草一種類である。

マップは迷路のような入り組んだ構造となっており、手描きで紙にマッピングしていく事がゲーム要素となっていた。階層は6階で、上階へいくほど敵が強くなっていく。それぞれの階層で「マジカルボード」と呼ばれる重要アイテムを見つけ、すべて集める事でドラゴンが倒せる流れとなっていた。

アダルト要素は少なく、登場する女の子はヒロインの王女を含め2人である。主人公が言葉を発するのはエンディングのみだが、一般的なヒーロー像からは遠く、自分本位で冷徹な性格、いわゆる“鬼畜”なのが目を引く。

それまでにも主人公の強さにパラメータがあるアダルトADV、お色気要素ありの一般向けRPGはあるが、「アダルトRPG」と断定するのは気が引ける部分があった。この年ファミコン用ソフト『ドラゴンクエストⅢ』が空前の大ブームとなり、パソコンゲームでも『すてぃるそーど for adult』『カオスエンジェルス』『TWILIGHT ZONEⅡ ～なぎさの館～』などアダルト要素を売りにしたRPG作品が続々と登場しており、後世の定義を満たすアダルトRPGはこの頃からであろう。本作品はその中で最も早い時期に登場した物の一つと思われる。