遺産相続弁護士 柿崎真一

ep.8 5億めぐる渦巻く陰謀

时长: / 首播:2016-09-01
  藤堂ホールディングスの社長、藤堂宗次(渡辺哲)は、死期が近いことを悟り、水谷美樹(酒井若菜)に遺言書を送った。驚いた美樹が藤堂家を訪れると、宗次の後妻、藤堂美樹(梅沢昌代)と娘の留美子(中村ゆり)が、美樹を「誰?」と訝しがる。その二人に美樹は「ムネッちの愛人で、5億の遺産をもらう約束をしてます」とさらりと言う。だが、当の宗次は皆の前で倒れ、あと2、3日の命だと宣告された。

  翌日、藤堂美樹は、柿崎真一(三上博史)の元を訪れ、「娘の留美子が街で見かけたあなたに一目惚れしたの。結婚してやってくれない?」と、結納金5億円を見せる。傍にいた丸井華(森川葵)と河原井正(豊原功補)がその大金に目を奪われていると、柿崎は藤堂美樹を不審に思い、「お断りします」と追い返した。

  華と河原井は、慌てて藤堂美樹に「我々が何とかします」と言い、勝手に柿崎と留美子の婚姻届を出してしまうのだった。「勝手に婚姻届けを出すなんて…」と柿崎は言うが、駆けつけた美樹も「でも、あの奥さんも娘も亡くなれば、すべて真一のものになるのよね?」と言う。「俺にあの二人を殺せとでも言ってる?」と呆れる柿崎で……。

  翌日、柿崎が藤堂家の様子を見に行くと留美子はおらず、柿崎と藤堂美樹の目の前で、宗次は息を引き取った。そこへ港町警察署の山本刑事(樋渡真司)が現れる。「柿崎、おまえと入籍した藤堂留美子が殺害されたみたいだ」と山本刑事。柿崎と刑事が留美子のマンションへ行くと、そこに留美子はおらず、血の跡だけ残っていた。また防犯カメラには、柿崎にソックリな男が、血みどろの留美子を運んでいる姿が映っていた。「俺じゃない!俺はハメられたんだ!」と柿崎はその場を逃げ出した。

  美樹と屋形船へ逃げ込む柿崎。その頃、テレビでは留美子の事件のニュースが報じられていた。藤堂美樹が「娘はあの男に殺されたんです!」と訴えている。「たぶん、留美子さんを殺ったのはこの奥さんだ。遺産を独り占めするために」と柿崎。その時、美樹が宗次の遺言書を取り出す。「え?遺言書あるの?」と柿崎が見ると、そこには宗次の保有する藤堂ホールディングスの株、1万株を美樹に相続させるとあった。

  その時、柿崎はふと桟橋に停まっているクルーザーに、柿崎と後ろ姿のそっくりな男が乗り込んでいるのを目にする。「俺がいる!」と柿崎が追いかけ、クルーザーに乗り込むとすでに誰もいない。そのクルーザーは藤堂美樹のもので、残っていた血痕は藤堂留美子ものだった。藤堂ホールディングスの株について華が調べると1株の価格は50万円。「ということは1万株で……50億!?」と美樹。さらに宗次の会社では、全株3万株の内、3分の1を保有すると、議案に対する拒否権を持つことになっていた。「拒否権?」と美樹。「例えば現副社長の奥さんか娘さんが社長になりたいといっても、それを拒否することができる」と柿崎。「そういえばムネッち、どちらを社長にするか迷ってた。娘さんと後妻の奥さんは実の親子じゃなくて反りが合わないって」と美樹。

  柿崎らが様子を探るため、再び藤堂家に潜り込むと、宗次の遺影の前に藤堂美樹が倒れていた。傍に大量の薬が散らばっている。「やだ、睡眠薬?自殺!?」と美樹。

  翌日、藤堂家では通夜が行われ、そこに突然、留美子が現れた。「私、拉致されていたの。お母さんに!」と留美子。会社を乗っ取りたい藤堂美樹の命令の元、柿崎に似た男に拉致され、別荘の地下室に監禁されていたと言う留美子。「必死に逃げてきたの。そしたらお母さんがこんなことに…」と留美子。だが柿崎は「違いますよね。あなたはお母さんを出し抜くために、僕に拉致されたように偽装したんだ」と柿崎は、マンションから拉致されたことも藤堂美樹のクルーザーに監禁されたことも留美子の芝居だと気付いていた。「そしてあなたの次の計画は、正当防衛を装ってお母さんを殺すことだった。だがお母さんに死なれてしまい、出て来ざるを得なくなった」と柿崎。「荒唐無稽な推理ね。証拠はあるの?」と留美子が言うと、「もちろん」と柿崎。すると、死んでいたはずの藤堂美樹が起き上がった。「私はあんたを監禁した覚えはないわ!嘘つき!」と藤堂美樹。そしてもう一人の証人、柿崎に成りすました男をヨーコ・アオザイ・サリーが連れてきた。「あなたは被相続人となるお母さんを殺そうとした。これは相続欠格事由にあたり、あなたは相続権を失います」と柿崎。「浅ましい女!」と言う藤堂美樹に、「あなたもです、お母さん。あなただって、娘さんを殺して僕に罪を着せるつもりだった。だが娘さんに先を越され…だから僕の提案したこのニセの葬儀に乗ったんだ」と柿崎。

  前日、遺影の前に倒れていた藤堂美樹は、強壮剤を飲んで倒れただけだった。その藤堂美樹に柿崎は、留美子が自分の監禁事件を偽装し、藤堂美樹を貶めようとしていたことを話す。藤堂美樹は、その偽装を暴くため、柿崎の作戦に乗ったのだ。「このゲス女」と罵り合う藤堂美樹と留美子。その二人に柿崎は宗次の遺言書を読み上げる。「ここに宗次さんの所有する1万株を水谷美樹さんに譲るとあります。ですが、妻の藤堂美樹、長女の留美子が仲良く手を取り合い、会社経営に携われば、この限りではないとも書かれています」と柿崎。その言葉を聞いて、急に仲良くしようとする藤堂美樹と留美子。「そんな茶番でなく、私から1万株、買い取ってもらえます?」と美樹。藤堂美樹と留美子は承諾するが…、美樹への遺言書に誤りがあり無効になった。また、藤堂美樹と留美子については、会社資金の不正流用が発覚し、解任されることになり、二人は逃げてしまった。「結局、ムネッちにうまく利用されただけってわけね」と美樹。「利用と言うより…彼は君を頼るしかなかった。彼は君に愛を求めたんだ」と柿崎は言う。母を早くに亡くした宗次は、自分を可愛がってくれた水谷美樹という家政婦を慕った。以来、宗次は水谷美樹という名の人しか愛せなくなり、最初の妻も今の妻も、旧姓の名は水谷美樹だった。「どちらともうまくいかなかったが、最後に彼は、この愉快な水谷美樹に出会った。美樹は爺さんのラストリクエストだったんだ」との柿崎の言葉に、宗次を偲ぶ美樹で……。

吐槽箱