あかねさす紫の花

  • 中文名: 霞光映照紫之花
  • 集数: 1
  • 类型: 音乐剧
  • 国家/地区: 日本
  • 语言: 日语

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      万葉前期の立役者である兄弟、中大兄皇子・大海人皇子(おおあまのみこ)の二人の兄弟と、二人の兄弟から愛を受けた女流歌人・額田女王(ぬかたのおおきみ)の壮麗な万葉ロマンの名作。今回は、大海人皇子を軸にしたバージョンでの上演となる。
      天智七年五月五日。即位して天智天皇となった中大兄皇子を祝って、近江の蒲生野(がもうの)で盛大な「薬狩」の行事が催された。その席には、天智天皇、弟大海人皇子、もとは大海人皇子の妃であったが、今は天智天皇の妃となっている額田女王、そして額田女王の姉・鏡女王(かがみのおおきみ)らが列席していた。この四人を襲った運命のいたずらは、大和朝廷の混沌としたありさまを象徴するかのようであった。
      話は遡ること十五年前。大和の額田の郷から始まる。そこに、帝に献上する鏡作部の長・鏡王(かがみのみこ)がいた。彼には鏡女王と額田女王という、ともに美しく聡明な娘がいた。ことに額田女王は幼い時から神に仕え、神のお告げを伝える修行をしていた。皇太子中大兄皇子は、鏡女王を見初め、足繁く額田の郷に通っていた。
      ある初夏の日。兄とともに額田の郷にやってきた大海人皇子は、額田女王と初めて顔を合わせる。そしていつしか二人は恋心を抱きあうようになる。
      大化改新から五年。大海人皇子は額田女王を妃に迎える。二人の間には十市皇女(とおちのひめみこ)も生まれ、宮廷は泰平に思われた。しかしある日のこと、思わぬ事件が起きる。ますます艶やかさを増した額田女王を目の当たりにした中大兄皇子は、強引に額田女王を自分の妃にしてしまう。兄弟の仲違いの噂が出ては困ると考えた中臣鎌足の進言で、中大兄皇子は引き換えに自分の娘を妃として大海人皇子に与える。
     額田女王への想いを残しながらも、政略のため、大海人皇子は兄の言いつけを受け入れざるを得なかった。
     いつしか歳月は流れて・・・・・・。蒲生野に立つ額田女王の胸中を様々な想いが駆け巡っていた。その時、額田女王目指して駆けてくる蹄の音。大海人皇子であった。額田女王は再会の喜びを歌にする。
      しかし、再会の喜びも夢の一こまにすぎなかった。中大兄皇子の即位の宴に出席した大海人皇子は、額田女王への慕情と兄への怒りを込め、槍を片手に踊るのであった。
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