印象最深的一段

第7卷：

そうしているうちに、やがて小さな水門のそばに座っている人影が目に入ってきた。心なしかいっそう穏やかになる歩調を意識して早めながら、護岸の真ん中に設けられた人ひとり分の細い道までたかたかと下りる。まっさらなワンピースを濡らしてむくれている少女のような横顔が少しでも華やぐように。

できれば、賑やかな祭り囃子みたいに響くことを祈りながら声をかける。

「明日姉っ」 　

手にしていた文庫本から顔を上げた明日姉は、まるで授業参観に遅刻したお父さんが教室に駆け込んできたときのような安堵を浮かべ、それからつんとそっぽ向く。

「今日はもう会えないのかと思ってた」

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这里显然是对比第一卷写的：

第一卷：

下校中の生徒の姿もそろそろ見えなくなってきたころ、小さな水門のそばに座っている人影が目に入った。心なしか逸る歩調を意識して抑えながら、護岸の真ん中に設けられた人ひとり分の細い道まで静かに下りる。彼女のまとう自由で、涼しげで、どこか静謐な空気を乱さないように。

できれば、優しい水音みたいに響くことを祈りながら声をかける。

「明日姉」

手にした文庫本から顔を上げた西野明日風先輩は、まるで次の瞬間に通り過ぎてしまう春風のような音色を奏でた。

「なんとなく、今日は君と会える気がしてた」

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