#1 - 2022-3-30 21:45
Thunder (noblesse oblige)
来源
https://moss.fanbox.cc/posts/207161

MILLION T@CTICS!制作振り返り
2018年11月23日 16:56・对所有人公开
こんにちは、サークル苔りんごです。ご無沙汰しております。
今回はミリタク制作の振り返りと称しまして色々と語らせて頂けたらと思います。
長文でネタバレを含みますので、TrueEnd後に読まれることを推奨します。


■現在の状況
早いもので夏コミのミリタク公開からもう3ヶ月が経過しました。
ありがたいことに会場での頒布は無事完売し、メロンブックス様に委託していたものも数回の売り切れを経てほぼ完売させることができました。


この場を借りてお礼申し上げます。ミリタクを手にとって遊んで頂き、本当にありがとうございました。


公開から3ヶ月経った今でもTwitter等でミリタクの感想を呟いて頂けている事がすごく嬉しくて、可能な限りエゴサして見に行くようにしています。
私としても自分が形にしたものでここまでポジティブな感想をもらえたのは初めての経験で、企画段階から不安に思っていた点も多々あったりしたのですが、今では本当に完成させられてよかったと思っています。


今回の記事では制作していて苦労した点や、ストーリーやシステムに対してどういった意図で組んでいったのか等をまとめてみようかと思います。番外編Tipsのようなものですので、おまけ程度の感覚で読んで頂けたら幸いです。


■ストーリー上の配役について
ストーリーを考える上で最も苦労したのは各キャラクターの配役でした。
一番優先した配役はRPGシリーズで、これは言わずもがな最優先。主人公をミライにするならハルカの立ち位置はどうする?とか、ラスボスはミキ?他の子が仲間になるタイミングは??等々考える事だらけで、いっその事ゼロから配役を考えた方が作り易かったんじゃないかとさえ思いました。
入れたい要素が多すぎて、一部イベントはメインストーリーとは直接関係しないサブイベントのような形にするしかありませんでした(海賊やうどん屋や畑など)。


RPGシリーズといえばRPG2の配役はあえて入れませんでした。これはRPG2が出る頃には配役が大体決まっていて、中途半端に入れ替えるくらいなら…と保留にしたからです。
入れるにしても、追加シナリオ等でまとめて入れた方がまとまりが良いと思ったので。
結局入れられていないのですが…(ォィ
https://twitter.com/i/status/1039866155010220032
https://twitter.com/i/status/1040846267742470144
https://twitter.com/i/status/1041297035469611009
https://twitter.com/i/status/1041660107241619456
https://twitter.com/i/status/1042044764642856961
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一応描いてはいた(小声)。


ただでさえ個性の強い子達を一つのストーリー上にまとめて辻褄を合わせるのは苦労しました。中にはあまり掘り下げてあげられなかった子もいて、担当の方には本当に申し訳なかったと思っています…。


■目覚めないミライについて
これはあまり言及せずにプレイヤーの想像に任せるのもアリだと思うのですが、せっかくなので作者側の設定を記載しておきます。
あのミライは本来「勇者の物語」内にいたミライで、外の世界から来たプレイヤーのミライが物語に干渉したことで役割が被り、世界構造的に低次元にいた方のミライが主人公としての役割を果たせなくなっている状態です。要するにプレイヤーは主人公の役割を奪ってしまったのです。そこを偶像に狙われたわけですね、物語に最も影響を与える存在として。


■謎の剣士について
これもNPCの会話や固有アビリティを見れば誰なのかすぐに分かると思います。彼女は「伝説の物語」の主人公で、魔王に取り憑いた偶像を撃破した後、世界を守り続けるという約束と引き換えに先代海龍から寿命を授かっています。「勇者の物語」の中でも仲間と戦わなくていい世界を作るために、もう一人の勇者として静かに世界を守り続けてくれています。ミライを助けてくれたのもその一環でした。


■ラスボスについて
ラスボスについてなのですが、誰かを悪役に抜擢するのはとても気を遣う部分だと思いました。下手をすればこの子の担当の方に嫌われてしまうんじゃないかと日和りながら制作していました…。
それでもゲームといえばやっぱりこの子達は外せないという想いでラスボスになってもらいました。あの二人とプレイヤーとのバトルを楽しんで頂けていたら幸いなのですが…。


また、一方的に悪役をさせる事に少し抵抗があったのもあり、隠しダンジョンを突破することでラスボス達にも救いが得られるように作りました。


ラスボス達の時系列ですが、主に「伝説の物語」と「勇者の物語」の間で活動しています。魔女の使い魔は封印の剣を持っていますが、これは記憶移植の研究の過程で魔女が封印の祠を見つけ、そこにあった剣を使い魔に持たせたからです。使い魔はそれなりに強く、魔王の力に操られること無く剣を使いこなしています。
記憶移植の実験に失敗し、使い魔の記憶を失った魔女は、黒ずんだ羊皮紙に使い魔の方が記憶を失ったのだと間違った記録を残しています。
そして長い時間をかけて物語の狭間へと辿り着き、物語の外側へ記憶を送り出しました。
使い魔は記憶を失った魔女を研究所(ユリコの家)へ送り届け、その後に自分も魔女の記憶の後を追おうとして記憶喪失になりました(その後、隠れ里リグエンド周辺を彷徨っていた所をシホ達に助けられた)。


…分かりにくい(笑)。


■追憶の世界について
ラスボス後の隠しステージですが、プレイして頂けたでしょうか?まだの方はここでUターンして大樹の精霊に話しかけた後にアズサさんに話しかけてみてくださいね。


ミリタクはストーリーの関係上仲間になるタイミングがラスボス直前の子もいて、仲間になってもラスボス撃破して終わり~!だと、担当の子の育成を十分に楽しめない状況ができていたと思います。これは自分としても反省点だったなと思っています…。
そこで、殲滅向きの子や高火力の子だけでなく、せっかく全員使えるようになったんだから全員使って遊んでほしいという想いで生まれたのが追憶の世界でした。編成をランダム出撃と強制出撃にしたのにはそういった意図があります。


階層を進めていく内に徐々にステージの元ネタが分かってくると思います。
49Fに関しては、どこかしらで13人とのバトルを入れてみたいと考えていたのと、追憶を経て向こう側に帰るというメッセージとして入れさせて頂きました。
ちなみに1Fのメンバーは最初期からコンテンツに触れられていた方には通じるのではないかと…。


■歌魔法について
Voタイプのキャラクターが使用可能になる特技ですが、ViやDaの方が運用し易いキャラクターもいて、全く使われなかった歌魔法がたくさんあると思います。
そこで、それぞれのキャラクターにどんな歌魔法が割り振られていたかをまとめて紹介したいと思います。
◆歌魔法効果一覧─────────────────────────────
【ダメージ】 ミライ, ジュリア, チハヤ, アンナ, コトハ, コトリ
【HP回復】 ヒナタ, フウカ, ミサキ


【ATKバフ】 ミキ, ハルカ (リツコ, チハヤ, エレナ, モモコ)
【ATKデバフ】 ミナコ, レイカ (ヒビキ, ミズキ, ミヤ)
【DEFバフ】 ミズキ (ヤヨイ, カオリ)
【DEFデバフ】 カレン, ノリコ (ヒビキ, エレナ, コノミ)
【MATバフ】 セリカ, タカネ (リツコ, チハヤ, カレン, イク)
【MATデバフ】 ツバサ, メグミ (ミヤ, トモカ, カナ)
【MDFバフ】 アリサ (カレン, カオリ)
【MDFデバフ】 ユリコ, サヨコ (ハルカ, コノミ, カナ)
【HITバフ】 シホ (リツコ, ヤヨイ, ツムギ)
【HITデバフ】 イオリ, リオ (アユム, イオリ, ツムギ)
【SPDバフ】 アユム (ヤヨイ, アカネ, ツムギ)
【SPDデバフ】 エミリー, スバル (エミリー, エレナ, ツムギ)


【睡眠】 ミヤ (リツコ, チハヤ, セリカ, ミヤ)
【毒】 マミ (リツコ, マツリ, セリカ, マミ)
【封印】 マツリ (フウカ, イク)
【沈黙】 トモカ (モモコ, メグミ)
【暗闇】 ナオ (ヒビキ, リオ)
【麻痺】 アミ (リツコ, セリカ, アズサ, カナ)
【火傷】 ヒビキ (タマキ, ヤヨイ, ノリコ)
【風邪】 チヅル (チヅル, ツムギ)
【喪失】 アズサ (マツリ, セリカ, ミキ, ユキホ)
【睡眠/毒/暗闇】 リツコ
【封印/沈黙】 シズカ


【身軽】 アカネ (チハヤ, ウミ, メグミ, アカネ)
【鉄壁】 モモコ (チハヤ)
【障壁】 イク (アズサ)
【生気】 エレナ (リツコ, ヒナタ, ウミ, ヤヨイ)
【活力】 ヤヨイ (サヨコ, アリサ)
【狂化】 タマキ (メグミ)
【侵蝕】 ウミ (サヨコ)
【鉄壁/障壁】 コノミ
【生気/活力】 カオリ
【狂化/侵蝕】 ツムギ


【Vo超】 カナ
【Da超】 マコト
【Vi超】 ユキホ
【All超】 ロコ (アリサ)
◆──────────────────────────────
全体的にバラけるように割り振っています。()の中はその効果の特技を元から持っているキャラクターです。同じ効果でも全く同じではなく、範囲が違ったり自分中心範囲だったり様々です。できるだけキャラクターの長所を伸ばすものや、性能を補うものを優先して割り振るようにしました。
個人的にタマキの歌魔法で狂化になるのが少し気に入っています(笑)。


■戦闘マップの作り方
これはゲームの内容と言うよりメイキング的な内容なのですが、ミリタクの戦闘マップがどうやって作られているかを簡単に紹介してみようと思います。
まず戦闘マップを組み立てるためのブロックを作成します。私はドット絵を描く際にはEDGE2というソフトを使用しています。EDGEでも問題無いです。



1ブロック32x32pixelで、戦闘シチュエーション毎に必要になったブロックを根気強く描き足していきます。これはもう頑張って描いてください…(笑)


次に、これらのブロックを組み合わせて戦闘マップの元となる設計図を作ります。これには「Tiled Map Editor」というソフトを使用します。先程作ったブロックを読み込み配置していきます。この時、配置する高さでレイヤーを分けるようにしています。
↓の例は6レイヤーから成るマップをレイヤーごとにスクショしたものです。


















全てのレイヤーを表示すると↓のようになります。ミリタクの戦闘マップは全て10レイヤー以内に収めています。



Tiled Map Editorには、このマップデータをテキストファイルで出力する機能があり、これが設計図になります。これをウディタ側で読み込むことで、ウディタ内に戦闘マップを描画しています。1ブロックずつ描画するのでピクチャ番号を大量に消費します、ピクチャ番号をしっかり管理して下さい。



出力されたテキストデータの中身はこんな感じ。0が何も無い所、1がブロックチップの一番左上の土ブロックに相当する。41,43,61,63は草が生えたブロック。
ブロックIDはブロックチップの左上から右に1,2,3,4,…と割り振られます。


後は文字列処理を駆使して描画座標をずらしながらこのIDの時はこのブロックを描画するという風に処理していけば戦闘マップのできあがりです、簡単でしょう?
…調子に乗っていますが恐らくもっと良い方法はあると思います、私はこれが実装し易かったので採用したというだけです。
読み込むシステムを作るのも少し大変でしたが、一度作ってしまえばTiled Map Editorで作ったマップをすぐミリタク内に用意できたのでマップ作りは結構楽しかったです。


ただもう少しやり方を工夫しないとマップの回転ができなくなってしまうので、次回何か作る時はマップの回転ができるように作りたいです…(回転できなくて不便という意見を何回か見かけて凹んだ)。


■没データなど
度重なる仕様変更の末、日の目を見ることなく没になっていったデータ達を紹介して供養したいと思います。



エイリアン組の立ち絵です。ヒビキ、カナのイベントで敵役として出演してもらおうかと考えていた時のものです。ボツにした理由ですが、当初は一人一役にすることを考えていて、アミとシホにはハンマーとガンナーというファンタジー感の強い外見があり、そちらを選んだからです。



ヒーローズ組の立ち絵です。サヨコのイベントでゲストとして出演してもらおうかと考えていた時のものです。ボツにした理由はエイリアン組とほぼ同じなのですが、ヒビキは両方に出演していたため、仲間にしていくストーリーがよく分からない感じになっちゃいそうだったので、サヨコだけ交錯した世界に迷い込ませて戦ってもらいました。
それに、どうせ追加するならRPG2の話と同様に追加シナリオか何かでまとめて追加した方がいいと思ったので(作るかどうかは未定!)。



ミナコは仕様変更で何度も役割が変わりました。最初は料理人(左)としてセリカのように回復アイテムを売ってもらおうかと考えていました。その後、いやせっかくならもっとファンタジーな配役がいいなぁと思い、月からの使者(右)の外見になりました(アニメーションも作っていた)。そして、神様的な存在になるとストーリーがよく分からない感じになってしまうので、最終的にモン娘のキョンシーになってもらいました。
どれも気に入ってはいたんですけどね…。


ミリタクは行き当たりばったりで作り始めたために途中で何度も何度も仕様変更が入り、せっかく作ったのに作り直しになったものが沢山ありました、↓は過去に試行錯誤していたものです。
4年ほど前の最初期のもの。当時は表示したマップにキャラを立たせるだけで嬉しかった。マップは大きな塊の画像を組み合わせて描画していました(今は1ブロック毎に大量に描画している)。この頃から回復アイテムの名前はほぼ決まっていたようです(笑)。
こちらも4年ほど前のもの。大体のメニュー画面の構成はできていたようです、ステータスはいらないと判断して代わりにアビリティが入りました。名前が漢字ですね、統一感を出すためと世界観を考慮してカタカナに統一した覚えがあります。
こちらも4年前、ターゲット選択のシステムを作ろうとしている所。何故か9vs9で周囲のキャラクター達との団体戦のようなものを作ろうとしていました(ドット絵を描くコストが極大なのでやめた)。
3年ほど前に試行錯誤していたもの。当時は文字がドットのフォントだったり(単純に読みにくかったのでやめた)、通常攻撃の時に隣に仲間が立っているとBPを1消費して攻撃に参加してくれたり(分かりにくいのでやめた)、タイプボーナスが全てのステータスに乗ったりしていた(強すぎたのでやめt…)。


などなど、今思い返せばあの頃は特に手探りだったなぁ…と(笑)
良かった点も悪かった点もそれぞれ受け止めて次に活かしたいと思っています。


■ゲーム制作について
一つのゲームを最後まで作り切るというのはありきたりな言葉ですが、本当に「自分との戦い」でした。実際私も作り始めて2年過ぎた辺りで、これを完成させる意味は果たしてあるんだろかと、何と言うか…何のために作っているのか分からなくなりました。
動作確認も自分で行うため、度重なるテストプレイで少し飽きたりします、何百回と同じ所をプレイすることになりますので…。
いやだったらそもそもチームを組んで作ればええやんという話なのでしょうが、正直な所ゲーム制作の現場に立ち会ったことが無いのでどう手を付けていけばいいのか分からないんです…。報酬の相場はどのくらいなのか等を考えていると、それはもう趣味というか仕事で…結局個人制作が気楽だと考えてしまって…。
あ、でもゲームを作って生活したいという夢は常に抱いています。


ミリタクではフリーのBGM素材を使わせて頂きましたが、できればBGMもオリジナルの物を使いたいなぁと考えていました。が、私は音いじり関係が全くできないので次回作ではどうしたものかと悩んでいます…(笑)。


■今後の予定
私としてもここまで楽しんでもらえた物を作り切りで終わらせたくないという気持ちがあります。ミリタクに関連したものになるかどうかはまだ未定ですが、SRPGを0から完成させられた事を活かして何かしらのゲームをまた作りたいなぁと考えています。
今、企画をがっつりまとめている段階です。理想としては「拠点を強化して経営していくシステム」と「SRPGのシステム」を合体させたようなゲームを作りたいと考えているのですが、前者はまだ作ったことがないので習得のためにプロトタイプとして片方だけで作ることになったりするかもしれません。
どちらにせよ私にも生活があるのですぐには作れないと思います…(笑)、また進展したらお知らせ用のTwitterアカウントの方でお知らせしたいなと思っています。


ではでは、色々話しましたが今回はこの辺で失礼します。拙い文章ではございましたがお付き合い頂き、ありがとうございました!ノシ