タイトル、あるいは物語に登場する「コクリコ坂」や「コクリコ荘」の「コクリコ」はフランス語で「ヒナゲシ」を意味している。ヒナゲシは「グビジンソウ」とも呼ばれ、花言葉は「恋の予感」や「思いやり」「忍耐」「妄想」などがある。 映画版の物語の舞台は1963年の横浜となっているが、コクリコ坂という坂についてはあくまでもイメージであり特定のモデルはない、と宮崎吾朗監督がインタビューで語っている。映画の封切りに併せて発売された『コクリコ坂からビジュアルガイド~横浜恋物語~』には「旧谷戸坂」という坂がモデルではないかと紹介されているようだが、劇中の坂とは似ても似つかないという。 ただしこれはあくまで映画版の話。原作となっている漫画版は横浜ではなく東京が舞台となっており、文京区にある「音羽の坂」という坂がコクリコ坂のモデルになっているのだそうな。そしてこの音羽の坂にあったレストラン「コクリコ」というのがタイトルの由来となっているという。原作の連載時にはよくこのレストランで出版や編集の打ち合わせを行ったそうである。