#1 - 2018-7-10 08:30
渡りの詩
ロバート・ブロック『無人の家で発見された手記』(青心社「暗黒神話体系シリーズ クトゥルー1」収録)
 まず最初に、ぼくはなにも悪いことをしなかったと書いておきたい。正体は分からないけど、ぼくはそいつらのせいでここに閉じこもっている。そいつらは理由なんてないくせに、ぞっとするようなことをしようとしている……人里離れた森の奥の、無人の家で発見された手記の内容は、そこに住んでいた少年の最後の走り書きだった…。
 雨音シナリオの「古い井戸」「黒い不定形なもの」ちゅう内容で真っ先にワタシの頭がトリガーしてしまったのが、このロバート・ブロックの短編。不定形の生命体ショゴスについては、ラヴクラフトの『狂気の山脈にて』で詳しい描写がなされるほか、『戸口にあらわれたもの』『インスマウスを覆う影』などでも一瞬言及されるけど、恐怖小説的な不気味さ加減ではこの短編が一番かなと思うわたくし。いやこの短編読んでたら、雨音シナリオの夢のシーンで連想しちゃうって(笑)。ワタシだけ?

廃屋に放置された魔道書
 猫屋敷で主人公が発見した書「第三界」。このシチュエーション…デジャブー(笑)!これに関連して、クトゥルー関係で何か作品を引こうかと思ったけど、ラヴクラフトの『闇をさまようもの』とかオーガスト・ダーレスの『谷間の家』とか、枚挙に暇がなさすぎなので割愛(笑)。たぶん、創元推理文庫から刊行されている『ラヴクラフト全集』とか、青心社の『暗黒神話体系シリーズ クトゥルー』とかの作品群を探れば、叩けば出る埃のごとく、そういった場面には出くわしまくるでしょう。アブドゥル・アルハザード著「ネクロノミコン」を筆頭として、「エイボンの書」「屍食教典儀」「ナコト写本」「無名祭祀書」「妖蛆の秘密」「ルルイエ異本」などがよく言及される魔道書。「第三界」ちゅうタイトルも、なんかいかにもってカンジですね。内容はちょっとらしくないような気もするけど気にしないことにする(爆)。

オドとイズ=ホゥトリャ
 もちろんこんな名前はラヴクラフトの作品にもクトゥルー神話の中にもでてこないけど、名前だけはすげーらしいよなぁ…。っていうか、こんな風に無節操に無国籍で登場してくるのは、クトゥルー関係の邪神とその眷属くらいだろうし(笑)。その実態はといえば、あんまりクトゥルーとは関係なくて、どちらかっちゅうと普通のそこらの神話っぽいけど…。召喚の際の文言はふつーの文言で、別に「いぐないい…いぐないい…とぅふるとぅくんぐあ…よぐ=そとほーす…」とか言ってるわけでもないし(笑)。名前と雰囲気をうまく使ったなぁ、と勝手に思い込むわたくし。

H・P・ラヴクラフト『ウルタールの猫』(創元推理文庫「ラヴクラフト全集6」収録)
 猫好きラヴクラフトが伺える一品。藍も猫好きですが、藍シナリオとこのお話の共通点は「猫をいぢめると後が怖い」(笑)。あと、クトゥルーとは関係ないけど、猫屋敷のショッキングシーンのモチーフは、きっとエドガー・アラン・ポオの『黒猫』でしょうね。

H・P・ラヴクラフト『ピックマンのモデル』(創元推理文庫「ラヴクラフト全集4」収録)
 画家、リチャード・アプトン・ピックマンが失踪した。病的かつ冒涜的な画風を天才的な技巧でもって描ききる画家だった。最後にピックマンと会った男は語る…貧民街のピックマンのアトリエで見たものを…。
 八車斎臥…モロにピックマンじゃん(涙)。ピックマンのモデルがアレなら、八車斎臥のモデルは…あうあうあう…。

C・A・スミス『彼方からのもの』(青心社「暗黒神話体系シリーズ クトゥルー3」収録)
 芸術家を題材にした作品をもうひとつ。八車斎臥のキャラクターを除けば、ネタ的には『ピックマンのモデル』よりもこっちのほうがこのゲームに近いかも。だからあらすじは書きません(笑)。ところで全然関係ないですが、C・A・スミス(クラーク・アシュトン・スミス)のヒューペルボリア関係の作品(『ウボ=サスラ』『七つの呪い』『魔道士エイボン』『アマタウスの遺言』)は、クトゥルーのくせに笑えるというミョーな短編群なので個人的には大好きです。あ、『彼方からのもの』は正統派の怪奇小説ですよ。笑えません(笑)。

オーガスト・ダーレス『風に乗りて歩むもの』(青心社「暗黒神話体系シリーズ クトゥルー4」収録)
 いあ!いあ!いたか!いたか、ふたぐん!風に乗りて歩むものの外見描写に注目。クトゥルーの邪神もほとんどダイダラボッチ扱いである(涙)。
#2 - 2019-10-21 10:00
(生前何必久睡)
good