100の資格を持つ女（12） 日剧

バツイチで二人の子持ちの西郷美千花（渡辺えり）は、リストラ時の備えとして資格の取得に励む渋谷中央署の事務職員。捜査には関わらないが、資格の勉強で得たさまざまな知識が事件解決に役立つこともあり、小山田刑事（草刈正雄）らに頼りにされている。
　その小山田が捜査に関わった3年前のストーカー殺人事件で、犯人に情報を流しながら罪に問われなかった探偵の江藤隆史（中村靖日）が沖縄で殺害される。3年前の事件被害者、新里香奈（大平夏実）も沖縄出身。江藤殺害は小山田が3年前から続けている香奈の墓参り中に発生しており、小山田は自らの手で江藤の闇を暴きたいとの思いを抱く。しかし、東京の刑事が沖縄の事件を捜査することはできない。そこで、今回も刑事ではない美千花に白羽の矢が立つことに…。
　生前、警察に相談に来ていた香奈と言葉を交わしたことがある美千花は、彼女を守れなかったことへの償い、刑事としての責任を取りたいという小山田の意をくみ、はるばる沖縄へと向かう。
　美千花は、江藤が滞在し、香奈の母、新里梓（床嶋佳子）が勤務するリゾートホテルで、コンシェルジュ見習いとして働き始める。
　その晩、沖縄居酒屋で開かれた美千花の歓迎会には、梓をはじめホテルでの催事を企画するイベント会社社長の望月克哉（羽場裕一）、梓を母のように慕うフラワーデザイナーの中村優希（黒川芽以）らが出席。飲んで踊って、地元の青年とも意気投合し大いに盛り上がるが、そこへ現れた沖縄の警察官が突然、梓に出頭を要請。梓は江藤殺害の被疑者として連れて行かれてしまう。
　あくる日、梓は仕事を欠勤。そんな中、翌日に結婚式を控えた宿泊客の早瀬静香（瀬戸早妃）に、脅迫状が届いていたことが発覚する。送り主は、静香が飲食店で働いていた当時、しつこく言い寄ってきた客。結婚を理由に退職した1カ月ほど前から、SNSに脅迫めいた文面がアップされ始めたため、静香は居場所が特定されないよう注意していたという。ストーカーの影に怯えつつも、結婚が破談になることを恐れ警察への届け出をためらう静香。事情を理解した美千花は、東京の小山田に助けを求める。
　静香の居場所をストーカーに教えたのは江藤の可能性もある。「第二の被害者を出すわけには絶対にいかない！」と、小山田は掟を破り沖縄に乗り込む決意を固めるが…！